停電



夕方、突然 雷が鳴った。

ポツポツと雨粒が降り始めたと思いきや、すぐに激しい大雨へ。
今日はやたらと蒸し暑かったが急に冷え、辺りもだんだん暗くなる。
突如。窓の外が激しくひかり、バーンッと大きく轟いた。
同時に、マグマ団の建物の全ての電気が消え失せた。


ホムラ「停電か」

珍しい出来事だった。


――トントン。
停電してすぐにノックの音がした。


団員「 ご、ご休憩中のところを失礼致します ご報告です

ホムラ「構わない。入れ」


返事をすると、団員が恐る恐る入ってきた。


団員「たたたった今、本部内で停電が起こりましたが速やかに復旧させますゆえ…


報告する団員は足が震えていた。が、ホムラは気にも留めなかった。


ホムラ「どっかへ落ちりゃいいと思ったが、マジに落ちるとはなぁ」


ホムラは笑った。
団員は手まで震え始めたが、もちろんホムラは気にも留めなかった。


団員「いやもうほんと自分の頭上に落雷すればよかったんです」

ホムラ「まったくだな。復旧のメドはたってるのか」

団員「これより自分は頭上にアンテナタワーを設置し余生を過ごそうと思います」

ホムラ「何の話だ。おい、何故 泣く」


団員は膝をついてさめざめと泣き始めた…今日は辛抱した方だった。


ホムラ「この建物、避雷針はあるのだがな。それ以前に停電が起きた場合、予備電力でしばらくは回るはずだっただろう」


ホムラは、消えたまま照明を見上げた。


ホムラ「まさかお前ら、管理を怠けてたってワケじゃねぇよな」


天井を見上げるホムラの眉間にバリッと縦ジワが寄っていた。
それ見た団員は凍りついた。


ホムラ「この停電してる毎秒ごとに、うちは幾ら損失してんのか。そう考えると実に不愉快じゃねぇか…ア?」


ホムラのコメカミにバキッと青筋が浮かび上がった。団員は田舎に残してきた自分の母親の顔を思い出していた。


ホムラ「お前 いつまでボサッと突っ立ってんだ。もう行っていいぞ」


今日はあっさりと解放された団員は、逆に物足りなさを覚えた。
が、ホムラの気が変わらない今の内にと、すみやかに退室した。


ホムラ「ところで一番はしゃぎそうな奴がいねぇ。ホカゲの野郎はまたサボりか」




【その頃のホカゲ】


ホカゲ「いや停電なんてまじビックリなんですけど」

近所のおじさん「停電中に一番風呂入ってるなんて珍しい体験だぁね」

ホカゲ「おっさん、今日オレに牛乳おごれよ」

近所のおじさん「ホカゲちゃん、おやっさんの一ヶ月のお小遣い幾らだと思ってんの」

ホカゲ「う○い棒1000本とみた」

近所のおじさん「漢は黙って500本よ。あ 、ここの足して501本ね」

ホカゲ「裸の付き合いに、セクハラよくない」

近所のおじさん「ヘソクリしても何故だか隠した瞬間に嫁の懐へワープする仕組みで 501本目はもっぱら下降気味よ」

ホカゲ「ショックだ。オレ一生ケッコンしたくねぇ…」




【停電から約10分経過】


ホムラ「長ぇ……」

ホムラ的に限界だった。

…ああ。うちの組織ってのは、たかが停電にも対応できねぇのか。ホカゲの奴は、暇な時はそこらに転がってる癖に肝心な時はバックレか。マツブサの奴はどうせ役に立たねぇ、道中遭遇してもハナから無視だな。

ホムラは、真っ暗な廊下でドーンと仁王立ちで考えた。

…俺が管理室に行くか。俺は機械はわからんが、こういった場合は“叩けば直る”ものだという。

ホムラは不敵に笑うと、懐中電灯を片手に行動開始した。
マグマ団壊滅の危機であった。




【その頃のマツブサ】


マツブサ「乾パンを、防災グッズと共にココに隠しておいたのだよ」

団員「マツブサさま、停電とはいえ青い団体の工作やもしれません。安全が確保されるまでお部屋を移動されてはいかがでしょうか」

マツブサ「いやでも乾パンがね、他のインスタント食品はあるのに乾パンだけないの」

団員「お、恐れながら申し上げます」

マツブサ「何でしょう。申してみよ」

団員「はい…恐らく、幹部さんですけど、お菓子に目が無いあの人が」

マツブサ「えぇ…つまり、幹部だけど、お菓子に目が無いあのコが」

団員「マツブサさんの、おやつの隠し場所なんて全部お見通しだと思います」

マツブサ「あぁあぁ☆ って、ホカゲくーーーーーん!!」

団員「マツブサさん、リーダーなんですから。もっと上手に隠して下さい…」

マツブサ「それが出来たら、大地、とっくに増えてるよ〜」




【停電から約15分経過】


マツブサ「――じゃあ誰か、じゃあ誰か非常食の乾パン買ってくるべきだ」
団員「――ですからマツブサさま、まずは安全な場所へ移動を」


ホムラ「話にならねぇ、阿呆共」


マツブサの私室からだ。
マツブサと、複数団員達がコントを繰り広げてる。無駄に介入して、足止めされては面倒だ。ホムラは速やかに通り抜けた。が、しかし――消えた非常食の行方より組織の被害を把握すべきでは? ホムラは拳を握めた。バキッと、極太の血管が浮き出た。




マグマ団の建物内部はとても複雑で、まさにテクノロジーの集結体だ。セキュリティも(やや)万全! 団員の階級により立ち入れるに制限設けてる。

幹部やリーダーの私室は勿論、建物の上層階にある。一般団員や、部外者を除外したそのフロアへ昇るためには厳しく監視された『専用エレベータ」へ乗り込む必要がある。一般エレベータからの乗換えが必須なので、やたら面倒臭いと幹部からの苦情はある。
が、組織内での優越へ浸れる、豪華仕様なこのエレベータ。


『マグマ団のTOP-BOX』――ホムラ談
『マグマ団のVIP-BOX』――マツブサ談
『ワールドオブザ超マグマBOX』――ホカゲ談


と、上層部のお気に入りなのだ。


ホムラ「――の、ハズだが。この停電のせいでザマねぇな!」


やはり唯一の移動手段。
上層専用エレベータは停止していて、複数の団員達が必死の復旧をしていた。その団員達、突如背後に迫った“プレッシャー”を感じ、恐〜る恐る、暗い廊下を振り返った。そこに、無言で立つホムラの姿を見つけるや否や顔面蒼白。秒で、床へひれ伏した。


団員「たたたたった今、本部内で停電が起こりまして! エレベータは、速やかに復旧させますゆえ…

ホムラ「ほう。この俺に、非常階段を使えって事か」

団員「大変申し訳ございません。自分達を、このエレベータと一緒に奈落の底へと突き落として下さい」

ホムラ「何の話だ? 待て、直してから落ちろ」

哀れな団員たちは、胃がキリキリ痛みだした。

ホムラ「地面に頭くっつけてないで仕事をしろ。では、先を急ぐのでな」


今日は簡単に許して頂けた…団員達は、ぽかんと口を開けたまま停止した。いや、しかしホムラの気が変わらぬ内に復旧せねばと、急ぎ作業を再開した。




【非常階段】


さて…と、ホムラは暗く長い非常階段を睨み下した。
かったるいとタメ息が出そうだったが、腕時計の秒針音が1円、2円と聞こえてる。しかめっ面で、階段を降りはじめた。上の方で……いまだ「乾パン」が、どうたらこうたら言う声が聞こえた。



下層の階段番をしていた団員二名は、ふと寒気がした。


ホムラ「お前ら、当たり前だが持ち場を離れるな」


それは予感だった。すぐにホムラの声が降ってきた。もう、気が遠くなりそうだった。ホムラは硬直する二人の間をすり抜けると、足を止めて振り返った。


ホムラ「庶民用のエレベータは動くか」

団員「ス… ス ベ テ 工 事 中 デ ス」


チッ…、ホムラの舌打ちが響いた。
団員達は、暗い廊下が黄泉の国の入り口かと思った。


団員「ホ ン ト ス イ マ セ ン」

団員「死 ヌ マ デ 立 ッ テ マ ス」

ホムラ「何の話だ。 だが、いい心掛けだ」


初めて褒めて貰ったような錯覚をおこし、団員2人は黄泉の淵から舞い戻った。2人はうっかり、走り去るホムラの首筋の汗になって滴り落ちたいと思ったりした。しばらくして正気に戻り、とんでもねぇ!と極限状態の思想にツッコんだ。



下層のフロアは、大勢の赤い団員達で溢れ返っていた。
中には、私服や部屋着姿…眠そうなパジャマ姿の団員もいた。本来ならまだ快適な睡眠の中にいるはずの遅番組まで総動員なのだ。彼らは、接近してくるホムラを見つると悲鳴を上げながら、こぞって道をあけた。

停電の次は、ハリケーンか。
ハリケーンは、二次災害も凄まじかった。

押され潰され、揉みくちゃになりながらも道をあけた団員間で、喧嘩が勃発した。日頃の抑圧されしストレスの爆発か睡眠不足か、ただの巻き添えかは分からないが乱闘になりかけた――ホムラが引き返して来るまでは。
団員たちは、またもや悲鳴を上げながら道をあけた。それは一度目よりも更に悲惨だった。


ホムラ「てめぇらァ! 喧嘩はヨソでやれ。低俗な野郎はうちにはいらねぇ!」


団員たちはぶるぶるぶるぶる震えていた。
――ホムラは首を傾げた。


ホムラ「よォ、お前等。この俺を、死にそうなくらいの笑顔で送り出せ」


団員達は即行だ。
万歳を力一杯、悲痛な笑顔を精一杯。全身全霊で、ホムラを讃えた。


団員『ホムラさーん! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! いーって、らっしゃーい、ませぇー!』


ホムラは笑った「――フッ」。
ホムラの影すらもこの場所から消えるまでひたすら怯え耐えた。ダラダラ冷や汗を流した。

嵐は去った。
嗚呼、平和。みんな心から喜びを噛み締めた。もはや喧嘩する気力も失せ、団員達は手と手を取り合ってスキップしながら作業に戻った。




【停電から約30分経過】


ホムラは更に階段を下りていた。
いまだ電力が回復しないのだ、相当手間取ってるに違いない。ホカゲも、出たっきりなんだろうと思った――『ホカゲ?』ああそういえば、と。つい先日の怪談話(A話参照) を思い出した。


『階段あんじゃん。階段に噂あんじゃん。マジお前ら知んねーの?? 本部の北階段、あんま使う団員いねーだろ。実は、あの4階な〜……』


北階段だ。
ホムラは足を止めた。
そのまま無言で、壁に掲げらた数字を見た。


ホムラ「――よん」


北階段の4階だ。
…上がりか、下りか、いや、くだらん。そもそも都合よく、例の時間に合う訳ないだろう。

ホムラ「――59分、だと?」

――時計、馬鹿野郎!
ベタだけど、ホムラは目を擦った。気を取り直して、

ホムラ「まじか、59分」

ギンと、文字盤を睨んだ。
取り合えず、時を進めよう。一分だ。60秒を数えて、また見た。

ホムラ「は、59分!?」

時計、止まりやがった。
何だか、今日はてんこもりだった。

ホムラは暗い階段を見下ろした……。
いち、に、、、、、、、、、、、、?!

さて。よく分からないので、数えながら降りることにするか。

ホムラ「いち に …」

おる、

ホムラ「… はち きゅう」

あれ、

ホムラ「… じゅう に」

まじよ、

ホムラ「じゅう・・ さん」


…今、凄くネガティブだ。誰にも見られたくねぇ。
ホムラは幻という13段目の上で呆然と立ち尽くしていた。

ホムラ「停電クソだろ。マグマ団なんか無くなっちまえ朝日と共に燃えて、灰と化せばいい」



――コツ。



その時、音がした。

――コツ コツ

足音? の、ようだった。
…なんだ、なんか出るのか!?そこまで聞いてねぇぞ。
ホムラは真顔で冷静に身構えた。なんとも珍妙な光景だった。

――コツ、コツ。

こちらに向かって近づいてくる。いやまて、階段を下りてきてるのか!?

――コツ。

突然、足音がしなくなった。

ホムラ「…」

ホムラは、考えた。こういった場合、どこかの隙間から見てるとか、振り返った背後に顔があるとかが、お約束だ。気合だ、バッ! と背後を振り返った。が、特に変わったものはなかった。続いて壁に血のサインが滲み出てるか確認したが、(下っ端達がピカピカに磨いた、)ただの壁だった。

茶番だ。
拍子抜けして胸を撫で下ろした、その    時、

ホムラ「…」

階段の上から、青白い顔の男がこちらをじっと見つめていた。









「こんばんは」



男が静かに挨拶をしてきた。
だいぶ細い男。手には、灯したロウソクを持っている。

「そっちへ行ってもいいですか」

一瞬止まったホムラ。開いた口が塞がらなかったが、そのまま首を縦にコクリと振った。振りたくなかったが振った。構わない、来るなら来い。

男は、ゆっくりと手すりを伝いながら降りてきた。それが妙になまめかしい仕草にみえた。男はぐっと傍へ寄ってきて、ホムラの顔を見上げて微笑んだ。

「俺、あんたにずっと会いたかった」

ホムラはゲッと思った。まだこの男を疑っていた。そのつまり、【U零】じゃないかと。ロウソクのぼんやりとした灯りが、男が端麗な顔立ちと分からせる。

ホムラは何となく、その顔に見覚えがあった。

ホムラ「俺たち、どこかで会ったか」

その言葉に、男は微笑んだ。

「あるよ。」

ホムラは怪訝そうに男を眺めた。

「わすれた?この俺様の顔を殴った… てんめぇホムラァァァ!!」

男は目を見開くと、勢いよく叫んだ。

ホムラ「何の話だ? まて、記憶にない」

プチッ という音がした。


バンナイ「バン ナイ だっ!」


自分の顔を指差して、男は怒鳴った。

バンナイ「俺の名前はバンナイ。1ヶ月前、あんたに頬ブン殴られて死ぬかと思ったんだよ、全く覚えてねぇとは何て奴だ!」

ホムラ「1ヶ月前?」

ホムラは脳内の書庫の扉を開いた。1ヶ月前の出来事をひっぱり出してみた。

ホムラ「ああ、あるな。この俺にたてつくエテ公に教育してやった記憶がある」

バンナイ「エテ!? え、俺サル・・って、この顔でサル?」

ホムラ「それがお前か?」

バンナイ「そ、そうなのか? しかしあんた初めてだ、俺のこの顔忘れるなんて」

バンナイと名乗った男は、頬に手を当てタメ息をついた。

ホムラ「謹慎中の身でこの俺の前に現れるとはいい度胸だな」

バンナイ「べら棒な謹慎処分な。マツブサさんにといて貰ったぜ」


――マツブサあん畜生。


ホムラ「謹慎解けて良かったじゃねぇか。せいぜい目立ねぇようにしろよ」

バンナイ「フン。でも残念だっだよ。俺はあんた自身が解いてくれるのをずっと待ってたんだけど」


そう言うとバンナイは、すっ とホムラの肩に腕を回した。

ホムラ「何のつもりだ」

気安く触れられ、ホムラは眉を吊り上げた。


バンナイ「いや、ね。俺、あんたのこと気に入っちまったんだよ?力貸してやるって言ってんの」


顔を近づけてきて、小さく囁いた。

「ね?」


と、同時にホムラの拳が彼の腹部にめり込んだ。
一瞬、バンナイの全器官が停止した。


バンナイ「え やだ めり込んでますよ」

ホムラ「お前は口の利き方知らねぇのか」


バンナイは、グフッと咳き込みながらささやかに訴えた。


バンナイ「あの 待って あんたの手が俺の腹にめり込んでまーすよ」

ホムラ「ヨソでは違うかもしれないが、うちじゃ新入りはもっぱら雑用係だ」

バンナイ「聞いちゃねーよ。痛ぇー お前、お、俺の体にまた傷を・・」


ダメージによろめいてクラクラしているバンナイを捕まえると、
今度はホムラが真正面から顔を近づけた。


ホムラ「お前はマグマ団で何がしたいんだ?顔洗って出直して来い」


ホムラは、バンナイの手元でユラユラ危なかしく燃えるロウソクを取り上げ、彼の顔に吹き当たるよう、ワザと強めに吹き消し、にやりと嗤ってみせた。完全に格下扱いをされたバンナイは、悔しげだ。負けじと睨み返してきた。


バンナイ「お、 おのれぇ 覚えてろ…後悔させてや・・ ゴフッ」


北階段4階の階段、幻の13段目にバンナイは腹を抱えて倒れこんだ。

ホムラ「一分後に幻の13段目と共に消えちまえ」

「迷信」バンナイが小さく何かつぶやいた。


バンナイ「な に言ってやがる この階段は もともと 13段だろが…」

ホムラ「…」


事実らしかった。




【管理室】


ついに現れたホムラ。団員達はバタバタと駆け寄り、用意した小さいクス球を割って『ホムラさん歓迎』というメッセージを出した。

ホムラはそれを取り上げて部屋の隅へ投げ捨てた。
団員たちは土下座して謝った。


団員「たたたたった今、本部内で停電が起こりまして我々が速やかに復旧させますゆえ…

ホムラ「たった今だァ?30分は経過してると思ったが俺の勘違いか?」

団員「ほんとすいませんホムラさん苺ケーキ食べませんか、焼きたて・・ グフッ」

ホムラ「何の話だ。おい、お前らずっとこんなくだらねぇ小道具作ってたんじゃねぇだろうな」

顔面ケーキ団員はモガモガ喋った。

団員「は、はい復旧作業はまもなく全て完了します ので、ホムラさんは どうぞおくつろぎを…

それを聞いたホムラは、バーンッと壁を殴った。

ホムラ「この状況下では、無理だ」

団員達は魂が飛び出そうになった――直ります、必ず!
あなたさえコンピューターに触らなければ!!
団員達は、ホムラを機械室へ入れまいと、捨て身覚悟でしがみ付き引き止めた。

団員「ただ今、復旧作業すべて完了いたしました…死ぬかと思いました」

待ちに待った、天からの伝達が届いた。

団員「ま、間に合ったーっ!」

床へ崩れ落ちた団員一同は、涙を流して喜んだ。
ホムラだけは実につまらなそうな顔をしていた。

ホムラ「本当に直ったのか? やはり俺が一度見よう」

歓喜から一転、団員たちは一瞬にして青ざめた。
苦し紛れの団員が一人、決死の嘘をついた。

団員「ホ、ホカゲさんが帰ってらっしゃいますので、後はそちらで見て貰います」

ホムラ「何? そうか良かった。では俺は帰るとしよう…エレベーターでな」

ホムラは笑った。

団員たちは骨の髄まで凍りついた。
幾多の団員の苦労の末、こうしてマグマ団壊滅の危機はめでたく先送りとなった。





おわり